あなたが選ぶ、あなたが使う。

それが、新たな知恵を生み、

二つの国の[しごと]をつなぐ。

一般社団法人てこらぼ 設立趣旨書

 知恵とつながりは時代と世界を越える。われわれは2006年度より、京都府との友好府州であるジョグジャカルタとの関わりを重ねる中、常に冒頭の気づきを確かなものとしてきた。この間、京都で培ってきた知恵とつながりとは、手仕事(て)を通じて協働(コラボレーション)によるところであった。実際、この思いを「てこらぼ」という名前に込めて取り組んできた活動は、古都どうしの歴史と伝統に根ざした技術の交流を促進させてきた。

 「てこらぼ」は2006年10月に京都府国際課による支援プロジェクトとして活動を開始し、2009年4月の特定非営利活動法人の設立により、経済・社会・文化を豊かにする事業モデルの創造に努めてきた。そこでは、未利用資源による商品開発や、各種普及啓発活動の充実を通じて、人々の信用や誇りを醸成し、手仕事のコミュニティを維持・発展することにより、それぞれのまちの経済的、社会的、文化的な豊かさを追求することとした。そして京都とジョグジャカルタとのあいだで6年にわたり縁を深めてきた活動は、京都府域においては丹後地域にも、インドネシアではジャワ島以外の島々にも広がりを見せるようになってきた。

 そこで、われわれ「てこらぼ」は、文化・産業・技術の交流を推進する体制を改めて確かなものとし、先人たちが弛まぬ努力によって後世へと継承しようと物事に対する本質的な価値を追求してきたことに最大限の敬意を払うべく、担い手どうしのコラボレーションによるものづくりと価値創造に取り組んでいくこととする。


2015年8月26日

一般社団法人てこらぼ

特定非営利活動法人てこらぼ 設立趣旨書

 災害は悲しいものである。この当たり前の事実を、われわれは平成7年1月17日、阪神・淡路大震災以降、忘れることなく思い起こさせられている。とりわけ、平成18年5月27日に発生したジャワ島中部地震は、かけがえのない<いのち>と共に、現地で紡がれてきた伝統文化ならびに生活文化の基盤に甚大な被害を与えた。その後、日本はもとより世界各地からの支援によって、救急・救命から救援、さらには復旧と、徐々に生活基盤が整えられていったことは、最早遠い昔の記憶になっているかもしれない。

 特に平成18年のジャワ島中部地震に対して、われわれは京都府国際課を通じ、「てこらぼ」と題した復興支援プロジェクトを平成18年より展開してきた。これは、手仕事(て)の協働(コラボレーション)の機会を生むことで、経済・社会・文化を豊かにしていこうと、産業復興という事業モデルの創造であった。そこでは、京都府と姉妹都市関係にあるジョクジャカルタ特別区とのあいだで、両都市が古都であるという特性が最大限に発揮された。しかしながら、自治体による事業推進の一定の完了により、事業着手から3年で、その体制を大幅に見直さざるを得なくなった。

 そこで、われわれは、国を超え、古都どうしの歴史と伝統に根ざした技術の交流を推進し、被災地復興とよりよい地域創造を担う組織として、ここに「てこらぼ」を設立する。そして、未利用資源による商品開発や、各種普及啓発活動の充実を通じて、人々の信用や誇りを醸成し、手仕事のコミュニティを維持・発展することにより、それぞれのまちの経済的、社会的、文化的な豊かさを追求していく。われわれは災害のかなしみを忘れることなく、先人によって積み重ねられた手業と、未来を創造する壮大なる構想力を糧に、よりよい未来を創造していくことの決意を固め、ここに「てこらぼ」の設立にあたっての意を綴っておく。


2009年4月27日

特定非営利活動法人てこらぼ